2020年の梅仕事は、梅干し作りに初挑戦してみることに決めました。
近所の青果店で紀州産の南高梅を購入し、下処理をし下付け(塩漬け)をします。その後、アク出しした新鮮な赤シソと梅と交互になるように丁寧にガラス瓶の中へと置き詰め、汁に浸すこと数週間——。
三日三晩の土用干し
何とも鮮やかに紅色に染まった梅たちを竹ざるの上で三日三晩の間、干していきます。
驚くべきは、この色の変化です!少し落ち着いた色味ながら、それぞれの梅が個性を持っているかのような色の違いが現れて(後に食べることは勿論ながら)この色を眺め、この香りを感じられるこの一瞬がとても幸せに感じさせてくれます。それにしても、これらの色を何色というのでしょうか?PANTONE や DIC などのカラーガイドで見比べ、色の名前を調べてみたいくらいです!(笑)
太陽と初夏の風の中で干すことで、梅から余分な水分が抜け保存性が高まり、また塩漬けにしたことで柔らかくなった果肉もネットリとした食感に変わり始めます。土用干しした後は、梅干しの薄皮を破らないように丁寧にそっと箸で摘まみながら再度熱湯で消毒したガラス瓶に戻し隙間無く詰め直していきます。
干して水分が抜けても
土用干しして水分が抜けたようでも、時間の経過と共に梅からは透明な水分がジワリと滲んできます。そしてまたその水分に含まれた旨味や香りが自重で沈む梅たちに戻っていき、真に美味しい梅干しへと熟成していきます。
初めての梅干しということもあって、毎日味見したい気持ちに駆られますが早々に食べきってしまわないよう、じっくりと時間を掛けながら味の変化を楽しみたいと思います。